効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

有機太陽光発電セル

いま世界に普及しているのはシリコン系のセルを使った太陽光発電だ。樹脂系のセルを使ったものもあり、安く製造できるのだが、太陽光のエネルギー変換効率が10%ほどしかなく、シリコン系のものの15〜20%という変換効率に大きく劣るために、ほとんど普及していない。ところが、樹脂を作る時に何かが入り込むと、この変換効率が2〜3倍になるという現象がここ10年ほど知られていた。しかし、それがなぜそうなるかが解明されていなかったのだ。ところが、このほどEindhoven University of Technology (TU/e)がこの仕組みがどのようなものかを発見したという。樹脂でセルを作る時に溶剤に微量の溶剤を混ぜるのだが、これが樹脂セルの構造の中を電子が流れやすくするのだそうだ。この不思議な素材は、樹脂溶剤が蒸発してしまう前に添加される。通常樹脂セルでは発電素子が二種類できて、その間で電子が流れるのだが、新しい溶剤を加えると、この2つが融合した形になり、また粒子が小さくなるために電流が流れやすくなるのだそうだ。この添加溶剤は、パンを作る時のベーキングパウダーのような役割を持つらしい。これの量産技術が開発されれば、太陽光発電の変換効率が大幅に上がると同時に、セルの価格が急激に下がる可能性がある。もうすぐ、太陽光発電は高いというのが、昔はそうだったと言われるようになるかも知れない。今日読んだ海外からの記事の紹介だ。