効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

英国での原発建設プロジェクトへ国の全額補償

「政府は日立製作所が英国に建設する原子力発電所について、日本のメガバンクが融資する建設資金を、日本貿易保険(NEXI)を通じて全額補償する。先進国向け案件の貸し倒れリスクを国が全て引き受けるのは異例の措置だ。国内の原発新増設が難しい中、国が全面的な支援に乗り出してメガバンクなどの協力を引き出す狙い。インフラ輸出は中国など新興国勢との競争が激しくなっており、国が他のインフラ案件でも支援拡充に動く公算が大きい。」と報じられている。貿易保険の補償対象は日立子会社のホライズン・ニュークリア・パワーが受注し、2019年中の着工を目指している英中部ウィルファで計画中の原発2基。インフラ輸出は中国など新興国勢との競争が激しくなっており、国が他のインフラ案件でも支援拡充に動く公算が大きいということだが、通常のインフラはまだ許せるとしても、原発にこのような全額補償をするなど正気の沙汰ではない。フランスの原発企業アレバが破綻寸前までの状況にあるのをフランス政府が支援はしているが、このような手段は取っていないはず。
原発の建設のほとんどで、計画が数年遅れ、必要コストが見積もりの倍となるようなケースが見られる。そのため、米国では政府補償がつけられたプロジェクトにも銀行などの金融機関がほとんど融資をしないのが現実。日立とGEの原発建設プロジェクトも東芝のケースの二の舞になりかねない。日本が国内原発の維持のために国外での建設成功例を見せたいのだろう。一般のインフラならまだ分かるが、原発を国外で建設するのには大きなリスクがある。稼働後もトラブルが続くのは確実だからだ。原発技術の維持ということも言われるが、もう中国の技術が日本に追いついているとも考えられるから、他の技術開発と実用化に資金を投入すべきだろう。