効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

火山が近くにない有馬温泉

一昨日の新聞が次のような出だしになっている。「日本最古の温泉の一つ、神戸の有馬温泉は周りに火山が見当たらないにも拘わらず、太古の昔からこんこんとお湯が湧き出る。100度近い高温で海水よりも塩分が濃いなど泉質にも謎が多いこの湯、600万年以上前の海水が地下深くで熱せられたことが分かってきた。」
自分はどこかに隠れ火山があるのかもしれないと思っていたのだが、そうではなく、600万年前頃に、海底近くでフィリピン海プレートが陸側のプレートに沈み込んだときに、海水を一緒に巻き込んで岩石の一部となり、地下60kmの地中まで沈み込むと、マントルに熱せられ、温泉となって地表に向かって熱水が上部に湧き出したものだとされる。地下100km近くであればマグマを作り火山ができるが、それより浅いためマグマを作らず熱水のまま上昇しているようだ。だから水温が沸騰水の温度のまま地表まで湧き出るのだ。だから有馬温泉の性質が、雨水や海水を主成分とする地下水ではなく、火山のマグマから出る火山ガスの水蒸気と一致しているとのこと。塩分や炭酸ガスなどの濃度が非常に高い。有馬型の温泉は白浜など各地に見られる。確かに火山は近くにない。
この紹介記事にはないことだが、100度にきわめて近い源水温度は、熱で作動するバイナリー発電(オーガニックランキンサイクル発電)に最適だし、出力が小さくてもよければ、熱電変換素子も十分使える。ネットで調べたが、有馬温泉ではバイナリー発電をまだやっていないようだ、2〜30kW出力のものを並列にすれば、大掛かりなものではない発電設備が導入できる。是非導入してほしいものだ。湯村温泉には25kWの発電が行われており、いま白浜では検討中のようだが。