効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電気を圧縮空気で貯蔵

NEDO新エネルギー・産業技術総合開発機構)の発表によれば、早稲田大学、エネルギー総合工学研究所が、天候により出力が変動する風力発電を電力系統上で安定的に利用するために、発電量の予測情報に基づく制御技術を用いた圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES:Compressed Air Energy Storage)システムの実証試験を開始したとのことだ。これまで海外の情報で、CAESが実用的に使われていると聞いていたが、天然ガスを採取済みで廃却されたガス田に空気を押し込んで圧縮するのだから、日本では実用的には無理だろうと思っていたのだが、使い方によっては効果のある蓄電システムになるのかも知れない。写真で見た圧縮空気の貯蔵装置は大きなものではないから、出力が短時間で変動する再エネ発電からの出力を平準化するために利用するのだろう。そのために重要なことは、太陽や風の強さを予測できることだ。よく単機出力の変動が事例として示されることが多いが、実際には設置されている地域全体で見ると、個別の設備の出力変動は少しずつずれることで可成り平準化される。その変動量はほぼ天候に支配されるから、細かい地域メッシュで天候予測ができれば、それほど大掛かりな設備を使わなくても、短時間の変動抑制を目的にしたものであれば圧縮空気貯蔵の効果はあるだろう。送電系統の安定化には、このような貯蔵設備を分散設置すれば有効なものとなるはずだ。蓄電池のように劣化しないことは利点かも知れない。