効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

圧縮空気でエネルギー貯蔵

イデアとしては前からあったものだが、不規則な出力変動をする再エネによる発電が、系統に悪影響を与えないようにするために、空気を圧縮してエネルギーをためる設備の実証試験が伊豆半島の先端近くの山中で進んでいるとのことだ。再生可能エネルギーの普及とともに余剰の電気を生かす蓄電技術の重要性が増しているが、民間のシンクタンク、エネルギー総合工学研究所(東京)が早稲田大学などと協力して建設した河津圧縮空気エネルギー貯蔵試験所で蓄電効果を探っている。原理としては、余った電気で空気を圧縮してタンクにため、必要になったら圧縮空気を大気に開放しその際のエネルギーでタービンを回して発電する。天候で出力が変動する太陽光や風力発電からの電気の流れを調整、平たんにして送電網の安定に使えないかと、新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)が資金を提供するプロジェクトだ。直径2メートルで高さが11メートルある円筒形のタンクが52本。ここに10気圧の圧縮空気をためる。圧縮機3台と発電機4台でひとつのユニットを構成し、それが2ユニットある。1ユニットの発電能力は500キロワット。全体で1千キロワットの出力が出せる。タンクは500キロワット時分の発電ができる圧縮空気をためられるので、最大出力で発電すれば約30分間電気を供給できることになる。空気の圧縮時に発生する熱をためておき、発電時に空気を暖めて高温の圧縮空気にしてから膨張させてエネルギーの転換効率を高めている。熱の貯蔵には燃えにくい合成油を使っている。この実証がうまく進めば、コスト効果が高い変動吸収設備が普及するかも知れない。蓄電池よりも安く出来るし、維持管理も手間がかからないだろう。昨年4月から試験運転を始め「順調に進んでいる」とのこと。どのくらいの規模の風力発電に対応できるかも知りたいところだ。