効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

原発の廃炉

現在福島第1原発廃炉作業が続いているが、これは事故という異常事態が起きたものの廃炉だから、終わるのに100年くらいかかるかも知れない。だが、このほど原子力規制委員会が、運転開始から40年が経過した4原子力発電所の計5基の廃炉を認可したというのは、どの原発についても必ず起こる作業となる。老朽原発廃炉認可は東京電力福島第1原発事故後に原発の運転期間が原則40年と規定されてから初めて。1970年代から相次ぎ運転を始めた国内の原発は順次稼働40年を迎え、廃炉時代が本格的に始まる。今回認可されたのは、日本原子力発電敦賀1号機(福井県)、関西電力美浜1、2号機(同)、中国電力島根1号機(島根県)、九州電力玄海1号機(佐賀県)で、いずれも1970〜75年の間に運転を始めたもの。まず使用済み核燃料の取り出しから始まって、全部を解体するのに30年ほどかかると想定されている。だが解体したときには、炉心部周辺に高度の残留放射能を持つものが大量に出て、それを誰も近づくことのない安全な場所に閉じ込める必要があるが、その工程が具体的にどのようなものになるかは分からない。深い地下に埋めるということだが、その場所もまだ確定していないし、確定できるかどうかも分からない。国内では小型実験炉の廃炉の経験があるだけで、商用原発廃炉を終えた例はないのだから、原発とはそのようなものなのだということを必然であることを前提にして新設や増設を説かなくてはならない。廃炉は1基あたり数百億円の費用が必要だとされているが、それで納まるかどうかも分からない。いまある原発も全てこの過程を経なければならないことを、世界の人が皆理解していなければならないものなのだ。