効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

低温熱貯蔵と利用

熱利用の効率を上げるためには、低温熱を貯蔵してうまく利用することが重要だが、その貯蔵方式にこれまで有効なものがなかった。水を利用することはできるが貯蔵できる量が少ないので遠隔地に運びにくい。それについて、今日、NEDO産業技術総合研究所)が新しい技術の開発事例を発表した。それによると、NEDO高砂熱学工業(株)、石原産業(株)、大塚セラミックス(株)、森松工業(株)の4社は、NEDOが開発した100℃以下の低温廃熱を利用可能な蓄熱材「ハスクレイ」をベースに、さらに高性能化した蓄熱材の量産製造技術を共同で確立するとともに、日野自動車(株)と同蓄熱材を組み込んだ、従来型より2倍以上の蓄熱を可能とする可搬コンパクト型蓄熱システムを共同で開発したということだ。今日から、日野自動車(株)工場間におけるオフライン熱輸送の実用化検証試験を開始、今後4社は、この検証試験で得られた知見をもとに、冷房・除湿・暖房、給湯、乾燥工程等へ適用する熱利用システムとして市場展開を目指すとしている。
国立研究開発法人産業技術総合研究所が2008年に開発した80〜120℃程度の低温廃熱の蓄熱が可能な高性能無機系吸放湿材「ハスクレイ」をベースにしており、ハスクレイへの水の吸着/脱着反応により放熱/蓄熱を行うため、蓄熱槽を乾燥状態で維持すれば潜熱ロスは発生しない。お湯のように冷めることはないということだし、熱利用温度域が限定されないこと等が特長だそうだ。コンパクト化を実現したことにより、中型トラックでの搬送が可能となる。検証試験の結果をもとにシステムシミュレーションモデルを開発し、設計・提案ツールとして活用するとともに冷房・除湿・暖房、給湯、乾燥工程等へ適用する熱利用システムとして市場展開を目指すとしている。
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100730.html?from=nedomail で輸送車の写真を見ることができる。