効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

プラチナ

日本はプラチナ(白金)を全て輸入に頼っている。昨日の日経新聞で知ったのだが、日本のプラチナの輸入先は大半が南アフリカ独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構」によると、2014年は34.3トンを輸入したが、うち27.2トン(79.3%)を南アフリカに依存しており、2位の米国1.4トン(4.1%)を大きく離している。プラチナは優れた触媒で、化学産業には不可欠な素材であるし、自動車の排ガス浄化にも使われている。また、固体高分子型とリン酸型の電解質を使う燃料電池にも触媒として不可欠なものだ。高温度で作動する溶融塩型と固体酸化物型の燃料電池には使われていない。プラチナはそれを含有する鉱物から精製分離されるのだが、環境省の資料によると、1キログラムを採取するのに1,000,000キログラムの素材からであり、鉄1キログラムが21キログラム、アルミが85キログラム、銅が500キログラムの鉱石からという数字と比較すると、いかに貴重なものかが理解できる。
白金が使われている触媒などからは70%程度は回収されるが、ゴミと一緒に捨てられるものもある。自動車の排ガス浄化についてみれば、次第に電気自動車に置き換わる部分についてはプラチナが不可欠と言うことはなさそうだが、燃料電池自動車についてはプラチナが重要な素材であり続ける。これが輸入できなくなる、あるいは価格が高騰するということになれば、日本の産業活動にも大きな影響を与えることになる。安定した外交関係を維持することの重要性がこのような部分にもあるとあらためて感じている。