効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電気自動車が大気汚染源に

(昨日この日記をアップするのを忘れてしまった。夜遅く帰るので原稿を予め作っておいたのだが。)
電気自動車は、走行中には温暖化ガスであるCO2を排出しないが、充電する電気がどの電源からの物かによっては、その電源からの排出が問題となることは確かだ。太陽光発電の電気を使うという話がよくあるが、それにはかなりの規模の太陽光発電設備がないと、常時再生可能エネルギーで充電というわけにはいかない。
電気自動車(EV)のブームによって、欧州は、英国で計画されているヒンクリー・ポイント原子力発電所と同規模の発電所を50カ所近く建設することを検討せざるを得ない――。欧州連合(EU)の専門家らがこう警告したと、英国のファイナンシャル・タイムスが報じている。政府の資金で運営されている欧州環境庁(EEA)の研究は、大量のEVが最も環境汚染の激しい化石燃料である石炭を燃やす発電所からの電力で充電されるとしたら、二酸化硫黄(SO2)による大気汚染の全体的なレベルが上昇する可能性が高いことを示しているというもの。同じことがCO2についても言えるだろう。バッテリーで動く自動車は一般に、環境を汚し、悪臭を放つガソリン車やディーゼル車と比べると純然たる環境面の恵みと見なされており、新たな調査研究は電気式の交通輸送への大きなシフトが多くの恩恵をもたらすことを裏付けている。だが、大半の電力が石炭火力発電所からくるポーランドのような国では、EVへシフトする恩恵が「疑わしい」ものになる可能性があると、EEAで研究のプロジェクトマネジャーを務めたマグダレーナ・ヨズウィツカ氏は言っているそうだ。EEAの研究によれば、EVのシェアが2050年までに80%に達すれば、充電のために150ギガワット(GW)の追加電力が必要になるという。これに対応する再生可能エネルギーを導入するには送電系統自体を大きく変えなくてはならないのは確かだ。