効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

OPECの原油減産合意

OPECが紆余曲折の後に、8年ぶりに原油の減産に合意したということだ。あたかも1973年のオイルショックの再来を思い出させることだが、石油市場が大きく変わり、米国が石油の減産があっても対応できる力を持つようになっているために、どれ位国際市場に影響するかは分からない。サウジアラビアが決断したのだが、これを継続できるだけの経済状況にもないし、減産の「例外」とすることを認めたイランがこの合意とは無関係に石油を供給するだろうし、ロシアも同様だろう。OPEC総会開催国アルジェリアが示した案にサウジは乗った。サウジに減産を求める一方で、イランに小幅の増産を提案。14カ国の加盟国全体で生産量を減らす案だった。加盟14カ国は原油生産量を日量3250万〜3300万バレルに制限する総論で合意したのだが、国ごとの生産量をどう割り振るかの各論は、11月30日にウィーンで開く総会に持ち越しているから、その間にまた一波乱あるかも知れない。OPECの生産シェアは約4割。減産に踏み出すとしても、原油市況を好転させるにはロシアなどの非加盟国との協調が不可欠になる。ロシアはOPEC内で減産に合意できれば、増産凍結に応じる構え。だが、大幅な減産を引き出すのは難しいとの見方もあると報じられている。日本もトイレットペーパーを買いあさるような状況にはならないから、様子見だろう。火力発電もLNGを燃料とするものが増えているから、原発がほとんど稼働していなくても、電力供給に大きな支障はないだろう。ガソリン価格は上がるかも知れない。案外、再生可能エネルギーの重要性が認識される機会になるかも知れない。