効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

Power Africa Law

日本の新聞記事にもあったのかもしれないが、気がつかなかった物に、米国のオバマ大統領が今年2月、Power Africa Lawにサインして発効させたということがある。この法律は、アフリカのサブサハラ地域の諸国に電力を供給するプロジェクトを政治的にも資金的にも支援しようとするものだ。この法律による行動計画はオバマ大統領が来年その地位を去っても残るとされていて、2020年までに5千万人の人たちに電気が使えるようにしようというもの。発電設備や送電線も当然だが、系統につなげない地域の人々にも主として再生可能エネルギーを使った分散電源で電気を供給しようとするプロジェクトへの資金を支援し、他国の協力も呼びかけようとしている。石炭火力発電もプロジェクトの中に入ることができるが、CO2の排出量ができるだけ少なくなる、排ガス中のCO2を除去して地下に貯留する方式を想定しているから、コストとの比較で言えば、再生可能エネルギーも優位に立つとされる。この法律は米国連邦議会を通るのに2年を要したが、サブサハラ諸国を支援する資金の調達に効果を発揮することは確かだろう。マッキンゼーは、2030年までにこの地域の住民全体が電気を使えるようにするには8,350億ドルが必要だと予測している。米国政府は当面70億ドルを用意しているが、これによって民間資金430億ドルが入ってくるだろうとされている。この法律が、サブサハラ諸国の人たちの生活を改善する力になることは確かだろう。