効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

変なホテルのエネルギーシステム

ハウステンボス長崎県佐世保市)が運営する宿泊施設「変なホテル」の一つの宿泊棟に最新鋭のエネルギーシステムが設置され運用を始めた。「変なホテル」は、ロボットによる接客などで知られる宿泊施設で、テーマパークであるハウステンボスに隣接する。この新しいエネルギー供給システムは、東芝が開発した「H2One」で、東芝独自の水素EMS(エネルギー管理システム)により、再生可能エネルギーと水素を活用して、電力を安定的に供給できるCO2フリーの自立型水素エネルギー供給システムだ。太陽光発電、蓄電池、水素製造装置、水素吸蔵合金タンク、純水素燃料電池により構成されている。 日照時間が長い夏季に、太陽光発電の余剰電力を使い、水素製造装置で水を電気分解し、製造した水素をタンクに貯蔵する。冬季に、貯蔵した水素を使って純水素燃料電池で発電することにより、水と太陽光発電のみで、年間を通じてホテル1棟・12室分の消費電力を供給できる。太陽光発電の出力は62kW、「H2One」全体では出力が54kW、貯蔵電力量が1.8MWh、温水供給量が最大毎分24リットルとなっている。水素の貯蔵には水素吸蔵合金が使われているが、寿命を長くする技術開発に成功したのだろう。ある意味、「変なホテル」だからこのエネルギーシステムが実用目的で設置されたのだと言える。通常の使い方であれば、システム自体のコストはとてつもなく高いものになるだろう。しかし、集客効果によって投資を回収できるとホテルは判断したのだろうから、これからの運転実績を是非公表してほしいものだ。