効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

小水力発電で水素製造

再生可能エネルギーで水素を製造するについては、太陽光発電での事例しか知らなかった。だが、このほど、東芝エネルギーシステムが小水力発電で水素を作り、岩谷産業がそれを貯蔵し輸送するというプロジェクトが北海道で開始された。発電の出力は200kW。水素を製造・運搬・貯蔵し、燃料電池コージェネレーション(熱電併給)システムと燃料電池自動車(FCV)で利用するという北海道釧路市白糠町などにおける水素サプライチェーン実証実験だ。1時間あたり最大約35Nm3の水素製造能力がある。釧路市内の福祉施設白糠町内の酪農家、白糠町温水プール東芝エネルギーシステムズ製の燃料電池「H2Rex」を設置し、水素を燃料に電気と温水を供給する。また、トヨタ自動車・士別試験場のFCVにも水素を供給する。北海道は気温が低いので熱需要が多く、このコージェネを効率よく運転できるとのこと。新規に小水力発電を始めると、送電系統への接続地点まで離れていて、そこまでの送電線の建設が難しいことがある。そのような場合に、運搬用の道路さえあれば、水素を車で輸送でき、当初コストを下げることができるだろう。水素燃料電池は、風力発電が多い北海道だから、それと組み合わせて出力変動を平滑化する役割を持たせることも考えられる。