効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

鉛蓄電池

ボーイング787が搭載しているリチウムイオン電池が発火するトラブルは、電池自体に起因するのか、電池の充放電制御をする回路がうまく作動していなかったのかよく分からない。いずれにしろ、リチウムイオン電池の電解液が発火しやすいものであることがこれではっきり示されたことになる。いまのところ電気自動車にこのようなトラブルは報じられていないが、もしこれから一件でも同じようなことが起きたりすると、電気自動車の普及は当分見込めなくなるだろう。もし蓄電池自体の欠陥が原因であるとすると、メーカーであるGSユアサボーイングから膨大な損害賠償を求められることになるのは確実。多分制御システムに問題があるのだとは思うが。
埼玉県が地盤の住宅メーカー、ポラスグループ(埼玉県越谷市)は、電子機器開発のスペースリンク(神奈川県藤沢市)と組み、分譲住宅に小型で劣化しにくい蓄電池の設置を始めると報じられた。ここで使われる電池は鉛蓄電池で、その特性として急激な負荷変動に対応しにくいのを、炭素原子が円筒状に集まったカーボンナノチューブの蓄電部品(キャパシタ)で補っている。報道では、リチウムイオンが1500回の充放電で容量が5割程度になるのに対し、この蓄電池は1万回でも95%の容量を保て、約70センチメートル角の大きさで、3日間停電した場合でも生活ができ、寿命は20年ほどという。充放電の大きな部分をキャパシターが賄うからだ。価格は100万円以下。
鉛蓄電池キャパシターの組み合わせはここでも繰り返し主張しているものだ。住宅用のような据え置き型の場合、大きさや重量が障壁となることは少ないから、今回のボーイングのトラブルを契機に、鉛蓄電池キャパシターの組み合わせの特性の良さが認識されることを期待したい。停電しても電力自給ができる住宅も増えるだろう。