効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

米国のシリア難民受け入れ

報道によると、米国によるシリア難民の受け入れが急増しているということだ。だが、国務省によると今年は年初から11月19日までに1875人のシリア難民を受け入れ、この数は昨年1年間の7倍超に相当するというのを知って、その数が意外に少ないのに驚かされた。米国はシリアのアサド政権を倒そうとしているのだから、米国を始めとするシリア攻撃によって難民となった人を受け入れる責任はあるだろう。受け入れたシリア難民のうち半分は子供、4分の1は60歳以上の高齢者で、テロリストになる懸念のある独身男性は少数だという。難民を受け入れる際には国連難民高等弁務官事務所UNHCR)と連携し、米国が入国先と判断された場合には、難民キャンプなどにとどまる難民の身上調査や面接を米連邦捜査局FBI)や国土安全保障省などと協力して実施する。調査にかける時間は1年半から2年に上るという。そのうち難民として入国の許可が下りるのは5割程度だというが、フランスのパリで起きたテロをきっかけにして、この受け入れが今度は急減するのではないかと心配だ。米下院は19日の本会議で、過激派組織「イスラム国」(IS)が台頭するシリアやイラクからの難民の受け入れを制限する法案を賛成多数で可決した。野党・共和党議員らがパリ同時テロを受け、難民にテロリストが紛れ込む懸念があると主張している。全50州のうち30州以上の共和党系知事が難民を地元で受け入れることに反対すると表明したほか、大統領選の共和候補からも難民拒否の発言が相次いでいるのだが、オバマ大統領はシリア難民の受け入れを年1万人に拡大する方針を表明しており、この法案が議会を通っても、拒否権を発動するという姿勢を示している。大統領選挙も近くなっているだけにさらに混迷が深まるのではなかろうか。ユニセフ活動にこれまで関わってきたものとして、難民の多くが子どもであることには胸が痛む。