効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

中間貯蔵施設

ついに電力業界が使用済み核燃料の中間貯蔵システムの建設に着手した。関西電力が2030年頃に稼動させる計画を公表したということだ。国内全原発をあわせた貯蔵容量の約1割にあたる2千トン規模とし、20年までに建設地を決め、原発の再稼働に備えて核燃料の管理に本格的に乗り出す。電力10社で構成する電気事業連合会も、30年ごろまでに6千トン分の貯蔵場所を新たに確保する目標を発表している。現在使用済み核燃料は原発の敷地内に保管されているが、それが満杯に近くなりつつある。これを再処理してプルトニウムを取り出し、もんじゅのような高速増殖炉で燃料として利用するはずのものだったが、肝心のもんじゅの稼動に全く目途がたたず、廃炉の可能性の方が高くなった現実に直面して、何とか一時逃れをしようとする施策だろう。関電のケースで見ると、原発の貯蔵容量は92%の大飯原発福井県)を筆頭に高浜原発(同)や美浜原発(同)も7〜9割と高水準で、再稼働すればあと数年で容量が足りなくなると報じられている。青森県六ヶ所村にある再処理工場の稼働もうまくいっていないので、英国とフランスに処理して貰わざるを得ない。だが、この中間貯蔵施設を建設できる場所が簡単に見つかるとは思えない。この面からも原発の将来に赤信号が出ているのが現実だろう。