今日午後、奈良県のエネルギー政策課が開いた、「平成27年度奈良県再生可能エネルギー熱利用講演会」に出席した。100人ほど入る部屋が一杯だったところを見ると、参加できなかった人もあったかもしれない。熱利用というのは以前から関心があって、日本はもっとこの分野に関心をもたないといけないと思って早期に申し込みした甲斐があったようだ。まず基調講演として、「地中熱利用の現状と展望」と題して、NPO法人地中熱利用促進協会の理事長から1時間ほどの話があり、次いで、「家庭や事業所でできる太陽熱エネルギーの活用について」という題で矢崎エナジーシステム社(一般社団法人ソーラーシステム振興協会会員)の方から50分ほどの説明があった。最初の講演での説明にあったように、地下数メートルから数十メートルほどの地中の(地熱ではない)温度は地域の平均気温と同じ程度らしく、大体15度くらいなので、この熱をヒートポンプの熱源にすると、冷暖房の効率が上がるのを理屈としては知っていたが、実利用がどのように行われているかを説明して貰えたのは有り難かった。また、太陽熱を温水器などで利用するのが日本では非常に遅れているのは知っていたが、それをどのように挽回するかを知りたかったのだが、矢張り行政、特に地域のエネルギー政策のあり方に左右されることを教えて貰った。エネルギー利用の効率から見ると太陽光発電よりも太陽熱給湯器の方が効率が高いし、コストも低いにも拘わらず日本での太陽熱利用は進展していない。ドイツでは急増しているのに日本では底を這っている。これから自然エネルギーからの電気の利用も大切だが、同じエネルギー源である太陽から得る熱エネルギーの利用促進は、コスト的にも優れた方式だと言うことを具体的に学ぶことができたのは有り難かった。終わってから興福寺の境内をぶらついてみたが、青い空を背景にした景色は秋深しだった。