効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

大規模太陽熱利用

長崎県佐世保市にあるハウステンボスが、園内の直営ホテルに日本最大級となる太陽熱利用システムを導入する。太陽熱パネル(集熱器)で沸かしたお湯を給湯に使い、燃料の天然ガスの使用量を減らす。第1弾として園内の直営ホテル「ホテルヨーロッパ(客室数約330室)」の屋上に、8月をめどに計107平方メートルの太陽熱パネルを敷設する。投資額は3千万円。年間に30万9千メガ(メガは100万)ジュールの熱量を確保し、同ホテルが1年間に使う給湯用熱量の8〜9%を賄えるという。ホテルヨーロッパでは従来、天然ガスコージェネレーション(熱電併給)システムを給湯に使ってきた。天然ガス重油よりCO2の排出量が少ないが、太陽熱パネルはCO2排出がゼロであるのに加え、無尽蔵の太陽熱エネルギーを蓄熱して効率良く使える利点がある。環境への負荷をさらに引き下げられると判断、イメージアップも狙って園内の中核ホテルへの導入を決めたという。
ホテルの熱消費量は、給湯負荷が夏でもあるために1年を通して可成りの量が期待できるのが普通。しかし、これだけ大規模に太陽熱コレクターを屋上に後から取り付けるとなると、建物の設計から見直す必要が出る場合もあるだろう。これを敢えて行ったについては、経営者の環境に対する姿勢がしっかりしているからできたのだと思う。太陽光発電にしなかったのにも敬意を表したい。採用した太陽熱パネルはデンマークのサンマーク社(スベンボー市)製。同社は業務用の大型太陽熱パネルで20年以上の実績を持つ世界最大手メーカーで、欧州で多くの実績を持つ。耐久性が高く、維持管理コストを低く抑えられるという。もし補助金などなしに投資を数年で回収できるような稼動実績が出れば素晴らしいのだが。このような熱利用についても何かの国の政策的促進策が打ち出せれば、九州、沖縄などには非常に太陽エネルギーの利用率の高いシステムを導入できる。うまくデザインすれば、吸収式冷凍機を駆動することも可能となるかもしれない。これが革切りになって日本で太陽熱を業務用に利用するシステムが普及することを期待したい。太陽熱給湯の太陽熱変換効率は確か50%を超えるはず。
今日は病院での定期診断。この間受診したCTで多少気になる所見があるようで、来週MRIの検査を受けることになった。まだ決定的な病変ということではない。