効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

太陽熱利用と都市ガス

東京ガスが11月から戸建て住宅向けに太陽熱給湯器と高効率ガス給湯器を組み合わせたシステムの販売を始めた。集合住宅向けには2月から販売しているが、これは集合住宅のベランダ手すり壁面に取り付けるという面白い商品。しかし、太陽熱給湯器は確実に都市ガスの販売量を落とすことになるから、都市ガス業界はこれまであまり熱心には取り組んでこなかったのが、ここまで力を入れるようになったのは、電気ヒートポンプ給湯器(エコキュート)が登場して、ガスが追いやられるようになったために、ゼロになるよりは追い炊きにガスを使って貰おうということになったのだろう。地球温暖化対応の目的に貢献する商品としての良いイメージも売り込める。
太陽熱を受ける部分に水はなく、熱を伝える液体が循環するようになっている。ということは循環用のポンプが必要になり電気が必要だ。そこで、このポンプ用には専用の太陽電池が組み合わされている。晴天の時にはポンプが早く回転して熱を効率良く貯湯槽まで送ってくれるのだ。曇りや雨の時で循環させる必要がないときには、太陽電池も発電量が減るから良いバランスになる。
お湯を使うときに太陽熱を貯めたお湯の温度が低いと、高効率の瞬間式給湯器でバックアップするようになっている。これまで瞬間湯沸器は入ってくる水の温度が高いと作動しなかったのだが、太陽熱利用を想定してその問題は技術で解決済み。かなり高級なシステムなので価格はそれ相応に高い。価格が目立たない新設住宅に向いている商品だろう。東京都内の住宅であれば、都が行っている再生可能エネルギー促進策の熱グリーン証書として売ることができるかもしれない。ただ認定された計測器で熱の計量をしなければならないので、多少厄介かも。