効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電力自営線と鉄道の連携

電気新聞が報じるところによると、岳南電車静岡県富士市、NEC、ヒラテ技研(名古屋市)の4者は14日、工場排熱を活用して発電した電力を、鉄道に沿って構築する自営線を使って需要家に送るための調査を開始すると発表した。富士市にはおそらく富士山辺りからの伏流水も多く、水質も良いことから、製紙会社などが集積している。製紙工程には加熱が必要な部分が多く、熱需要が多い。そこで、コージェネレーションで発電する際に発生する熱は製造工場で利用し、電気を近隣へ配電するプロジェクトが計画され、そのために電力供給の自営線を建設するという。その電力自営線の整備に鉄道用施設を利用することで、設置コストを下げ、断線リスクの軽減も期待できるらしい。この日記でも鉄道路線のインフラ利用をよく書いているが、中小鉄道だからこの方式が可能になったのかも知れない。この自営線を流れるのが交流か直流かは分からないが、おそらく交流だろう。だが、鉄道線路に沿って電線を敷設するのは、特に高圧でなければ周辺住民の同意も要らないだろう。逆に、来年の電力全面自由化によって、この自営線から料金の安い電力が使えるということになれば、反対どころか推進力が生まれるかも知れない。今回の調査は、4者が協働事業者として提案した「ローカル鉄道と連携したスマートシティ構築の可能性に関する調査」について、新エネルギー導入促進協議会から「2014年度地産地消再生可能エネルギー面的利用等推進事業(事業化可能性調査)」の採択を受けている。コージェネは新エネルギーの範疇に属するのが幸いしたと言えるかもしれない。