効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

スマートコミュニティーへの具体的な動き

トヨタ自動車などはこのほど、宮城県大衡村の工場を中心としたスマートコミュニティー構築へ向けて有限責任事業組合(LLP)を設立したと報じられている。工場内でガスエンジン・コージェネレーションによる電気と熱の利用最適化を図り、さらに周辺への融通も行うもの。4月1日の事業開始へ向けて取り組みを本格化させる。トヨタグループが98・3%を出資し、残りを東北電力や地元農業生産法人などが出資する。電力会社も参加しているので、電力の融通をやりやすくしてくれるだろう。
LLPが工場内に設置するおそらく数千キロワット規模のガスエンジンコージェネ保有して運転する。この発電設備からの電気と熱を工場内で利用し、余剰を周辺の植物工場や食品加工工場などに供給するが、電気は東北電力の配電線を利用して供給する方式となっている。これは東北電力に売るのではなく、既存の設備を借りて利用する形となる。周辺に温室栽培の事業があれば熱利用が可能となりエネルギー効率は高くなるだろう。
植物工場へ電気を供給するのは鳥取市でも実証試験が行われている。住宅2戸からの電気を送るのだが、普通に見られる交流ではなく、直流46ボルトを使って送電するそうだから、日本でも最初のケースではないだろうか。また、大阪ガスでは、実験社宅NEXT21で電力融通、熱融通がテストされ始めている。このような動きを見ると、全国にスマートコミュニティーのオンパレードという感じがする。この動きを支えるのは、電力消費者が電力供給の安定性に不安を感じているということがあるように思えるのだが。