効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■再生エネ100%での電鉄事業

東京急行電鉄は25日、水力発電などの再生可能エネルギー100%による東急世田谷線の運行を始めたということだ。東京都世田谷区東部の約5キロ、10駅を結んでいる路面電車。都市型鉄道では国内初の試みだということだが、他の形態での事例はあるのだろうか。欧州では風力発電の電力だけを利用した鉄道の事例はあると聞いたことがある。今回の世田谷線では、東北電力水力発電地熱発電による再生エネルギーを供給するらしい。電力の託送で東北から関東に電気を送るのだが、世田谷線の消費する電力が小さければ、過不足の問題はなくなる。特に水力、地熱といった時間帯での変動はない電源からだから同時同量の問題も起きないだろう。世田谷線は平成30年度の電力使用見込みが215万キロワット時で、東北電からその分の電力を購入し、本線、車庫内などの電車運行に活用していくと報じられている。これが風力や太陽光発電の電力を利用するということであれば、発電量が不足した場合には、他の地域での再エネによる発電の環境価値を証書として購入する方式も併用しなければならないだろう。

鉄道の場合、駅舎の電力を再エネで賄うということも考えられるが、短い路線を運用する事業であれば、工夫すれば東急電鉄のように企業イメージを大きく訴求できる路線電力の再エネ化ということはそれほど難しいことでは無いかもしれない。ただ電車路線が消費する電力は時間帯で大きく変動するから、それへの対応をどうするかの工夫が必要だろう。あるいは、全量にはならないが、再エネ比率を高めることで企業姿勢を示す方式もありうるだろう。

今日午後、地域で再エネの定着拡大を進めようとしているグループ、地域未来エネルギーなら、の理事会があった。顧問を仰せつかっているので出席。森林の多い奈良だが、バイオマスを燃料とする再エネプロジェクトの定着は非常に難しいことを実感。太陽光発電も固定価格の買い取り価格が下がり、これまでと違った発想が求められている。小さな組織だが、参加メンバーの熱意には心を打たれる。