効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

マイクログリッド

今日届いた日経ビジネスに、マイクログリッドの事例として、発電した電力を“地産地消”するというものがあった。記事の導入部には、既存の電力会社にできるだけ頼らず、地域内で発電した電力を地産地消する実証実験が沖縄で行われ、従来の電気料金を7割程度削減できる事例も出てきた、と述べられている。沖縄科学技術大学のキャンパスで行われているものだが、教員用住宅それぞれの屋根に取り付けた太陽光パネルで発電し、各戸に設置されている蓄電池に蓄積する。その電力を互いに融通し合うというものだ。巨大な蓄電池を1カ所に設置する場合に比べ初期投資は小さくて済み、拡張も容易にするとしている。太陽光発電の状況と蓄電池の残量などをリアルタイムに分析し、きめ細かく制御するのが特徴だという。これには、沖縄電力の送配電網とは別異、専用の電線で19戸の教員住宅を接続ということだが、この自営線の設置は現時点の規制では一般的に可能とはなっていない。実証実験特区として許されているのだろう。カギを握るのが、19戸で電力を効率的に融通するためのアルゴリズムだと記述されている。この制御プログラムが標準化・汎用化されてくれば、この自律分散制御方式のマイクログリッドが普及するだろう。蓄電池だけでは全体の需要が賄えないときには、沖縄電力からの電気を利用するように瞬時に切り替えると説明されているが、おそらく不足分を既設の系統から取り込むのだろう。この方式のマイクログリッドを、途上国の地域で送電線が来ていないところに応用する場合には、不足が起きないように何らかのエンジン発電機を設置してやれば良い。この発電機の稼働率は多分低いはずだ。このような方式で電気を使えるようにするという市場がこれから拡大するだろう。