効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

地方ガス事業の海外進出

いま日本には200を超える都市ガス事業がある。その中で大手である東京ガス大阪ガス東邦ガスの3社で、日本の需要の殆どを占めており、残りを中小ガス事業が供給している。LPG事業者との競争も激しいが、これまで電力事業からの攻勢も、オール電化住宅の普及で顧客を失うなど、難しい経営を行っている。だから、海外事業への進出も大手3社だけだったが、それに続く販売量を持つ静岡ガスが7月末、タイで発電事業を手掛けるイースタン・パワー・アンド・エレクトリック・カンパニー(EPEC)に出資したと発表した。静岡ガスは、EPECの発行済み株式のうち、28%分を保有する丸紅の発電事業子会社から全株式を取得したもの。タイの民間卸電力会社4社も出資しているが、EPECは首都バンコク南方のサムットプラカーン県で出力35万キロワットの天然ガス火力発電所を運営し、発電した電力はタイ発電公社(EGAT)に卸販売している。これは海外で電力事業の具体的な経験を積み、これから日本で始まるエネルギー市場の競争激化に備えると同時に、電力事業とのタイアップをする経営戦略を立てようとしているのだろう。これまで経験のない電力供給事業への進出に向けた具体的な対応として海外に目を向けたのは大したものだ。これからも中小ガス事業がいろいろなエネルギー戦略を打ち出すだろうが、地域と密着している企業としての特色を生かせれば、電力市場の全面自由化への対応に力を発揮するかも知れない。