効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

太陽光発電と蓄電池の組み合わせのコスト競争力

米国アリゾナ州最大の電力会社が、もっとも需要が高まる午後3時から8時という時間帯の電力を外部から調達しようと入札を行ったが、First Solar社が提示した65MWの太陽光発電と50MWの蓄電池を組み合わせた電力供給システムが、安い天然ガスを使う火力発電より安い電力の供給をするとして採用されたそうだ。同じようなケースが、フロリダ州カリフォルニア州でも具体化しているらしい。カリフォルニア州の場合は、規制当局がPG&E社に対して、需要増に対して火力発電の増設ではなく、太陽光発電と蓄電池の組み合わせか、非化石燃料を使った火力発電で対応するように指示している。大規模容量の蓄電池が卸電力市場でも優位に立つようになってもいるらしい。蓄電池の場合、電力需要が増えたときには放電し、急減したときには蓄電するという2つの機能を駆使することによって、柔軟な需要対応はできるのだが、機能としては発電だけしか出来ない天然ガス火力発電よりも利用価値が大きくなってきたのだという。日本では太陽光発電設備コストが海外に比べてかなり高いから、同じようなケースが出るのは少し先になるが、いずれは実現することは確実だろう。日本の天然ガス輸入価格が高く、大きく価格が低下するとは考えられないから、需要変動への対応に太陽光発電と蓄電池が有利になるだろう。石炭火力の発電コストは安いが、出力を変動させにくいから変動対応価値を見れば競争力はない。今後の動向を見守りたい。