効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

燃料電池の燃料にアンモニア

燃料電池の燃料は最終的に水素だけしかないと思っていたのは間違いだったようだ。現在家庭用燃料電池エネファームは都市ガスを水素に変換して、それと空気中の酸素を反応させて発電している。宇宙船に使われている燃料電池も液体水素と液体酸素を気化して、それを燃料にして発電し、それでできる水をいろいろな目的に使っているはずだ。ところが、今日の報道記事で、京都大学 江口浩一教授らはノリタケカンパニーリミテドなどと共同で、アンモニアを空気中の酸素と反応させて発電する燃料電池を開発したということを知った。水素を多く含むアンモニアは、石油などに代わる発電用燃料として期待が集まっていると記事には書いてある。その理由は、一般に燃料電池は水素と酸素をもとに発電するが、アンモニアは水素より液体にして運びやすい利点があるからだという。開発したのは固体酸化物型と呼ぶセラミックスなどを使うタイプの燃料電池。従来、部材の接合部などが腐食し、アンモニアが漏れ出す恐れがあった。アンモニアの強い腐食性が障害になっていたのだろう。研究チームはガラスの素材などを工夫し、腐食しにくくした部材を用いて燃料電池を試作した。アンモニアを直接燃料に使い、255ワットの電力を取り出すことができ、発電効率は水素を使う燃料電池より良かったらしい。今後は耐久性などを確認するというが、新しい燃料候補が出てくることは嬉しいことだ。アンモニア分子には炭素がないから、燃やしても地球温暖化効果を促進することがないことも一つの利点かも知れない。