効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

住宅での直流利用

この日記では何回も直流利用の拡大が望ましいことを書いてきた。やっとそれが現実になりそうだ。シャープと経産省は直流給電ができる住宅1棟の実験で、全て交流で給電する一般の住宅より約15%の省エネ効果を確認したと報じられている。住宅に取り付けた太陽電池で発電した直流の電気を、家庭内のコンセントに送る。コンセントから直流を得るということは、住宅の中は何処のコンセントを使っても直流だということ。その実現には、コンセントに繋ぐ電気機器がプラグの段階から直流を使う仕様になっていなければならない。この実証実験は「北九州スマートコミュニティ創造事業」の一つで、2013〜14年度に実施したもの。350〜400ボルトの電気で、専用に開発したテレビやエアコン、冷蔵庫、発光ダイオード(LED)照明などが問題なく作動した。家庭で使うテレビやパソコンなどは今でも直流で稼働している。もっと低い電圧を使うのではないかと思っていたが、この高さで安全性や利便性に問題がないということになったのだろう。現行の電気製品を改良する必要があるが、普及すれば、殆どの家電で行われている製品内部で交流を直流に変換する手間が省ける。問題は直流仕様の家電の普及と直流配線の標準化だろう。何かのインセンティブを準備しなければ実際には普及速度に難しさがあると思う。だが、経産省がその気になったということは歓迎すべき事だ。現在の家電はみな交直変換器を内蔵しているが、それを省けるのだから、仕様さえ標準化されれば価格も下がることは確実だし、電気代も安くなるのだから、関心は高まるだろう。電気のメーターに交直変換器を安く取り付ける施策もほしいところだ。