効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

エネファームからの逆潮流

家庭用燃料電池エネファームの定格発電規模は700ワットか750ワット。だが、これもコージェネレーションだから給湯に使う温水のために排熱を使わなければ、いくら発電効率自体が大型の発電設備よりも高いといっても、10%ほどの差しかない。お湯を必要な時間に合わせてフル稼動させて予めお湯の温度を上げたいときでも、その時の設置された家の電力消費が定格よりも小さいときには、家での電力需要に合わせた発電しかできないからお湯を十分に作ることができない。それは、お湯を作るために燃料電池で目一杯発電させると、発電された電気の余剰分が、配電線に逆流(逆潮という)し、電気の供給の安定性や安全性に問題が出るとして電力会社が強く反対したためだ。だから、たとえば家で使う電力が400ワットしかなければ、余裕があるのに400ワットまでしか発電できず、発電効率も落ちてしまう。欧米などではこの逆潮は送配電系統の負担を減らし、環境負荷も低減すものだとプラスに評価されて認められている。この日本での現状が間もなく変わるかもしれない。エネファームに取付先の需要を超えて発電させて、そのオーバー分を逆潮させたら、総合効率がどれほど上がるかの実証テストが東京、大阪、東邦の大手三社で今月から開始されると報じられている。このテストの結果で、逆潮させれば総合効率が大きく上がり、系統への悪い影響もないという数字が出れば、エネファームからの逆潮が可能になると予想される。これは、現在原発が稼動していないために出ている電力需給全体の逼迫による問題の解決に多少なりとも貢献するからだろうが、逆に、福島第一原発の事故がなければ実現しなかったことかも知れない。この逆潮が認められれば、多少なりとも地球環境改善にも貢献することになるだろう。