効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

フライホイール

鉄道総合技術研究所など5者は15日、再生可能エネルギーの普及拡大に伴って必要となる大容量蓄電システムとして開発を進めてきた超電導フライホイール蓄電システムの実証機が完成し、試運転を開始したという記事を見た。出力300キロワット、蓄電容量100キロワット時を実現。超電導磁気軸受けを採用したフライホイール蓄電システムとしては世界最大級となる。超電導磁気軸受けというプロジェクトの数自体が世界でも少ないから世界最大級となるが、蓄電という観点からすると系統運用に組み込むには小さすぎるだろう。超電導ではない磁気軸受けは米国のBeacon社が運用している2万キロワットクラスの大きなものがある。1000キロワットのものを20セットとなっているが、立ち上がりが早い特性が、系統の周波数変動の抑制に利用されている。フライホイール蓄電システムは、装置の内部にある大型の円盤(フライホイール)を回転させることによって、電力を運動エネルギーとして貯蔵し、必要に応じて回転力を再び電力に変換する。バッテリーなどと比較し、出力と容量をそれぞれ独立して設計することが可能なほか、繰り返しの充放電に強い長寿命、有害廃棄物が出ないなどの特長があると解説されている。丁度こまを真空の空中に浮かせて回す方式で、回転に摩擦が出ないので、一度回り始めた回転力を長く維持できることが蓄電につながる。米国のものは超電導を利用していないはずだが、軸受けの摩擦が発生しないように強力な磁石で円盤を押し上げている。超電導を使うと小型化が容易なのかも知れない。その辺りはまた調べてみよう。超電導を維持するのに電力が消費されるはずだが、これが止まらないように工夫してはあるだろう。