効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

フライホイール蓄電装置

電気化学的に蓄電するのでなく、物理的な力を利用して蓄電する方式がフライホイール蓄電だ。以前にも書いたことがあるが、コマを回すと暫く回転を続けるように、大きな円盤を電気モーターで高速回転させ、円盤の軸受けの接触摩擦を殆どゼロにするために円盤を磁力で押し上げてやる。同時に回転を真空の円筒の中で行わせて、空気との回転摩擦をゼロにしてやる。この回転モーターを発電もできるものにしてやると、風力発電などの電力で回転させ、一杯に回転させてやるとその回転は継続する。電力を取り出すには、回転軸にあるモーターによる発電を行って系統に逆流させてやれば良い。極めて耐久性があり、排気ガスなどによる環境問題も起こさない理想的な蓄電システムだとされ、この技術を商品化しようとした米国のビーコン・パワー社は連邦政府の支援も受けて実際の系統制御に確か2カ所ほどに設置されたのだが、その後倒産したと聞いていた。ところが、このシステムが、自然エネルギーからの電力蓄電やマイクログリッドの全体制御に利用されようとしていると同社が発表したと知った。ベーリング海セントポール島にある風力とディーゼルによる発電電力を蓄電することによって、燃料消費を30%削減できるとしている。1分間に16,000回、カーボンファイバーできたシリンダー(円盤)を回転させて、系統の変動を吸収する。この設置コストなどは未公表だという。日本にこのような大型のフライホイール蓄電の実証プラントはまだないのだろうか。離島の系統制御や地域のマイクログリッドには最適かもしれないのだが。