関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを住民らが求めた仮処分申請で、福井地裁(樋口英明裁判長)は14日、再稼働を認めない決定をした。仮処分で原発の運転を禁止する決定は初めてで、決定はすぐに効力を持つ。この仮処分決定はこれから全ての原発再稼働に大きな影響を与えることは確かだ。この原発に対して政府は安全審査で合格証にあたる審査書を出している。それを否定する仮処分の決定は、関電だけでなく他の電力事業にも大きなショックだろう。今後の司法手続きで仮処分の取り消しや執行停止がない限り、再稼働はできない。関電は決定を不服として福井地裁に異議申し立てと執行停止の申し立てをすることは間違いない。樋口裁判長は、昨年5月、関電大飯原発3、4号機の運転差し止めを住民らが求めた訴訟でも、地震対策の不備などを指摘し、再稼働を認めない判決を出している。この訴訟は控訴審で係争中のため判決が確定しておらず、差し止めの効力は発生していないということだ。高浜原発3,4号機は昭和60年に稼動を開始しているから、原則40年までの運転を認めるという政府の方針からすれば、まだ若い原発だろう。大飯原発はこれより6年ほど早く運転を開始している。仮処分は正式裁判の判決が確定するまでの間に差し迫った危険や損害が起き、申し立て側の損害が回復不能となることを避けるため「仮の状態」を定める手続き。どういう理由で仮処分を決めたか、明日の報道を待ちたい。