効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

コスタリカのゼロエミッション

オーストラリアのブリスベンに住む長男が、家族の近況とともに教えてくれたことだが、中米のコスタリカで今年に入って連続75日間再生可能エネルギーだけで国内のエネルギー消費を賄うという画期的な記録を達成したそうだ。この国は面積が5万1100km2(九州と四国を合わせた程度)の小さな国で、人口が480万ほど。息子は、このような実例もあるのだから他の国も努力すべきだとコメントしていたので、その情報の詳細を調べてみた。この国では4つの水力発電設備(揚水発電と流水利用で昨年には80%の電力を供給)と豊富な地熱(2010年に13%)、バイオマス、風力、太陽光を利用した発電で電力が供給されていて、今年は降雨に恵まれたために水力発電がフル稼動できたのがゼロエミッションを連続75日間続けるという記録を達成することができたのだという。この国は観光と農業が主となる産業だが、World Economic Forumによる2014年世界競争力指標で、電力と通信インフラ分野ではラテンアメリカ域内においてウルグアイに次ぐ地位を占めている。そして、ここに住む人の99.4%の世帯に、この周辺国に比べて最も安価な電力を供給しているという。コスタリカは火山国だが、地熱発電の新しい開発プロジェクトも進行しているようで、まず55MWが、ついで2基の50MWに対して建設予算が2014年半ばに付いたそうだ。この増強によって、乾期の水力発電能力の下降の影響を抑制できると期待されている。そして、ゼロエミッションの記録がまた更新されるかも知れない。火山国日本も見倣うことのできる方策があるかもしれない。