効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

大規模風力発電

日立製作所が、国内では最大級となる出力5000キロワットの大型風力発電機が完成したと発表した。海外では7000キロワットのものも実用化していると聞く。日立のこの設備は主として洋上風力発電に使われるようだが、まずは茨城県神栖市の沿岸部の陸上に設置される。沿岸部だから海風の利用と言えるし、陸上設置だから建設コストは洋上に比べて遙かに低いはずだ。試運転などを経て、夏をめどに日立キャピタルと共同出資する発電事業会社に納め、商用運転を始めるそうだが、これを受電する送電系統の制御も一つの課題だろう。また、これが洋上設置された時には、陸上までの送電をどのように行うかも課題となる。沖合までの距離にもよるが、高圧直流で送る方が送電損失は交流に比べてはるかに小さいはずだ。しかし、日本ではなぜか分からないが何とかして高圧交流で送電しようとするケースが多い。今回の5000キロワット級となると、洋上の場合できるだけ多く設置する方がまとめて風を利用することで出力変動を抑制するには適している。この場合複数の設備も陸上の送電線に接続されなくてはならないが、個々に陸上と結ぶよりも、まず風力発電設備同士を高圧で結び、それを取りまとめて陸上の変電所へ接続させる方が妥当だと思うが、どのような方式になるか今後の展開に興味がある。日立は高圧直流の技術に長けているABBと事業連携したから、欧州の技術が日本に応用されるのかも知れない。