効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ソーラーインパルス

以前に開発中の状況を紹介したことがある、太陽光発電電力だけで飛ぶ電動飛行機プロジェクト「ソーラーインパルス」が、世界一周飛行に挑戦する。太陽光発電電力だけで世界一周飛行するのは世界初で、3月9日、ソーラーインパルスはアブダビを出発し、3,5000kmにおよぶ飛行を開始した。アブダビを出発してから東に向かい、12時間以上かけてオマーンのマスカットに到着。その後は、インドのアーメダバードとバラナシ、ミャンマーマンダレー、中国の重慶と南京、米国のハワイとフェニックス、ニューヨークを経由し、大西洋を横断して2015年中ごろにアブダビに戻る予定だと報じられている。2人のパイロットが交代しながら操縦するが、難関は中国からハワイまでの間の太平洋の横断で、5日間、昼夜を通してノンストップで飛ぶ。17,248枚の太陽電池が翼も含めた機体に貼り付けられている。この報道を見た時に、なぜ西ではなく東に向かうのかと思った。太陽の進行方向と同じにした方が長い時間発電できるはずだからだ。だが、極力重量を減らした機体は風の影響を受けやすいから、偏西風が強いと考えればその風に乗る方が有利なのだろう。日中は高度1万メートルを飛行しながら、夜間の飛行に十分な電力を充電する。ここで使われる蓄電池はリチウムイオン電池だろうが、その重量とパイロット2人の重量に打ち勝って飛び、長距離を無着陸で飛行しなければならない。パイロットも大きなストレスに晒されることになる。スムースな飛行でこのプロジェクトを成功させてほしい。