効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

太陽光発電と日蝕

今月の20日に欧州で日蝕が見られる。これについて、興味をそそられることを知った。日蝕では太陽光が短時間で大きく減少し、その後また短時間で元に戻る。それに応じて太陽光発電からの出力は大きく変化するのだが、太陽光発電の設置規模が世界でもっとも大きく、総電力供給量の7%を占め、晴天時には電力需要の半分を賄っているドイツで、この出力変動が電力供給の安定性に大きな影響を与える可能性があり、電力事業は停電に結びつかないよう緊急体制をとっているらしい。同時に、系統制御の研究者にとっては、滅多に見ることのない短時間内の出力変動を利用して、どのくらいの出力変動によって、どの程度系統に影響が出るかを実測することのできる又とない機会になるようだ。2014年10月に米国で日蝕が起きたのだが、その時のデータによれば、太陽は30〜50%が月の影に入り、それがほぼ3時間続いた。ドイツの電力事業Opowerがこれを参考にしようと調べているのだが、100万キロワットの出力減が起き、火力発電所がその対応に追われたそうだ。広大な米国全体で17.5 GW、そのモンタナ州よりも小さな面積のドイツに38.5 GWが設置されているのだから、日蝕の影響は米国の比ではない。ドイツでは、揚水発電、応答の早い天然ガス火力、近隣諸国からの電力輸入などで対応しようとしている。いずれ日本でも日蝕は起きるから、ドイツの対応策が参考になることは間違いない。