効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

大型蓄電設備の大普及始まる

これまで、風力発電太陽光発電のように、出力が不規則に変動する電源を多く建設し、また、送配電系統が古くて制御に難点が多かった欧米で、大型蓄電池でその問題を解決しようとする動きはあまり見られなかった。変動する自然エネルギーの受け入れを義務づけられている送電関係の事業者にとっては、この採用がもっと早く始まるのではないかと思っていたが、そうはならなかった。勿論コストが大きすぎるということもあっただろうが、それ以外に需要のコントロールなどで凌いできたと言えるだろう。しかし、その大型蓄電池のコストが急速に下がってきたことも相俟って、2014年に電力系統用のものが大量に使われるようになったようだ。ナビガント・リサーチ社が出したレポートでは、2014年の第3四半期と、2015年の第1四半期の間に、696.7 MWの蓄電設備の設置計画が世界で出されているという。この数字には蓄電池以外のものも含まれているようだが、かなりの部分が蓄電池であるように理解している。カリフォルニア州は電力事業者に具体的な蓄電設備量を義務づけているためだが、そこでの計画量が世界の設置計画の4分の一を占めるという。これから欧州、中国などでも急速に大型蓄電設備の設置が進むに違いない。この分野でも、蓄電関連の制御技術で新しいものが開発されるだろう。どのように蓄電、放電を制御するかによって系統の安定性が大きく変わるからだ。