効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ギャロッピング現象

先日中部電力管内で起きた大停電の原因がギャロッピング現象という聞き慣れないものにあると知った。ギャロップとは馬が全速力で走るのを表現する時に使われる言葉だ。それが高圧送電線の挙動に使われているとは面白い。中部電力の発表では、27万5千V信濃東信線の2回線とも停止したが、そのうち1回線(1号線)で6カ所の故障点を特定。電線同士が接触する「ギャロッピング現象」が原因と推定したとのこと。最大で約38万戸が停電したが、停止した信濃東信線は、長野県内を南北に約70キロメートル延びている。最南端で信濃変電所に接続しており、故障点は同変電所から北に約525メートル付近に3カ所、同約825メートル付近に3カ所の、計6カ所が長野県塩尻市内で見つかった。電線に付いた雪や氷が飛行機の翼の役目となり、風で電線が上下に振動したようだ。電線同士が接触したか、約50センチまで接近してアークが飛んだとみられる。予想外の雪と風が原因のようだ。素人の推定だが、付着した雪の塊の形が飛行機の翼のようになって浮力が生じて日頃は起きないような大きな揺れが起きたのだろう。大風を計算に入れないで設計するとは、と思っていたのだが、2つの要因が重なったのだから仕方がなかったと言えるかも知れない。1回線だけの故障であれば他のルートで送電できるから停電は短時間で済んだのだろうが、2回線が同時に短絡したのだから中部電力も気の毒な事故だったのだと思う。これで全ての電力会社は、このような現象への対応をしなくてはならないだろうが、確率の低い事への対応だけにどれだけの投資をするかの判断は難しいだろう。