効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

高浜原発の安全審査合格

原子力規制委員会は12日、関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県)について、再稼働に向けた合格証にあたる「審査書」を正式に決定した。安全審査ではなくて安全神話合格といった方がよいのではないかと思う。安全審査を通過するのは九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)に次いで2例目。再稼働は地元自治体の同意などを経て今夏以降になる見通しだと報じられている。今夏以降の再稼働とは、電力消費のピーク時期が終わった後で稼動することになるということだろう。いま日本の電力需要は節電要請に応えた社会のお陰で前年比減少の方向に向かっている。再稼働をしなければ電力料金を上げざるを得ないと関西電力を言っているが、現在の原発発電コストの算定方式が、安い電力となるように設定されているからであって、原発は隠れたコストが大きいということを社会に知って貰う必要がある。安全設備の追加にもコストはかかるし、使用済み核燃料の処理費用もまともに計算すれば原発は再稼働しない方が全体の電力料金は安くなるのではないか。ただし、原油価格が再高騰すれば別ではあるが。今の料金算定方式であれば、当面再稼働は仕方がないが、これまで言われてきた電力需要に対応できないという理由はいつの間にか消えている。原発がなくても停電は起きない。ただ、古い火力発電所を完全に改修して、故障の不安を除去すると同時に、発電効率を大幅に上げることだ。そうすれば燃料消費も抑制できる。政府は地球温暖化対応策として原発を稼動させたいのだろうが、世界の動向を見ると、原発依存で炭酸ガス排出量を減らそうとするのは全く評価されない可能性があるから、それに代わるものとして再生可能エネルギーの導入に力を入れる方がベターな施策になるはずだ。そのために必要な送電網の強化には政府の投資も必要だろうし、電力料金で負担することもありうる。