効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

関電高浜原発3・4号機の運転差し止め

関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを滋賀県の住民が求めた仮処分申請で、大津地裁(山本善彦裁判長)は9日、運転を認めない決定をした。東京電力福島第1原発事故後に再稼働した原発の運転を禁止する司法判断は初めて。仮処分決定は、訴訟の判決と異なり直ちに効力が生じるため、2基はいずれも運転停止の状態に追い込まれる。2基は2015年2月に国の安全審査に合格。3号機は今年1月に再稼働し、現在も運転を続けているが、4号機は翌2月に再稼働しながら、直後にトラブルが発生したため停止している。関西電力は稼働中だった3号機の停止作業に入っている。今後の司法手続きで判断が覆らない限り運転は再開できず、関電の経営にとって大きな打撃となりそうだ。仮処分の内容を見たわけではなく、報道を見ての解釈だが、安全審査そのものについて論じているのではなく、関西電力の地域住民に対する説明が不十分だという点に仮処分の根拠があるようだ。他の原発再稼働についても、各地で同様な司法判断が求められることになるだろう。仮処分というのは、放置しておくと取り返しのつかない事態になる時になされるものだと理解していたが、今回の判断もこのような範疇に属するのだろうか。これからもこれが前例となって、特に稼働年数が40年に近づいている原発について、同様の仮処分が続くかもしれない。司法の独立性の意味を改めて感じさせられた。稼働が短期間でも停まることは、使用済み核燃料の量が増えないということだから、自分から見れば歓迎すべき処分なのだが。これはコスト問題の領域で論ずることではないだろう。