効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

モーター効率の向上

東北大学パナソニックは17日、東北大が開発した新たな磁心材NANOMET(ナノメット)を固定子コアに用いた高効率家電用モーターの試作に成功したと発表した。世界最高水準の省エネルギー性能を実現できるという。パナソニックはまず冷蔵庫コンプレッサーなどに採用し、創業100周年を迎える2018年度の市場投入を目指すということだし、東北大は引き続きナノメットの送配電や産業用への応用に向けた研究を進める考え。ナノメットはアモルファス状態の高濃度鉄合金に熱処理を施し、ナノ結晶状態にしたもの。コイル心に用いられる既存の素材に比べて、飽和磁束密度が高く、より強い磁力を持たせることができ、鉄損というエネルギー損失が少ない。今回の実証では、直径約7×高さ5センチメートルのモーターを使用。固定子コイルの芯になるコアにナノメットを用いて制作したモーターと、コアに電磁鋼板を用いた従来品を同一条件で回転させて効率を比較したところ、 鉄損が70%低減、モーター効率が6ポイント上昇して91%に到達したということだ。家電用のモーターに応用すると、モーター効率がさらに上がって96%になると想定されている。電気冷蔵庫や空調など多く使われている家電に使われれば、電気の消費効率を大きく高めることができる。モーターの効率はあまり注目されない分野だが、今回の開発は大きな意味を持つはずだ。