効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■燃料電池の白金コストを大幅削減

燐酸形燃料電池の開発時代から、触媒である白金の減量は大きな課題だった。固体酸化物燃料電池には白金を必要としないが、特に急激に拡大する固体高分子形燃料電池の白金使用量の低減は克服すべき課題だった。

ここに来て、産業技術総合研究所、先端素材高速開発技術研究組合、宇部興産らの研究グループが体高分子型燃料電池PEFC)向けの高性能なコアシェル型触媒の合成に成功したと発表。高効率な合成手法の確立にも成功し、固体高分子型燃料電池の普及課題となっている高い白金コストの大幅な低減に寄与する成果だという

水素で発電するクリーンな電源システムとして注目されている固体高分子型燃料電池。そのエネルギー変換効率をより向上させるためには、正極での酸素還元反応の活性を高める必要がある。このため正極の触媒には触媒活性の高い白金を採用するのが一般的だが、白金は高価で資源量も少ないため、使用量を大幅に低減しながらもエネルギー変換効率を向上させる手法の確立が求められている。

そこで近年は、触媒粒子の外表面(シェル)部分のみに選択的に白金を存在させ、粒子の内部(コア)部分を他の金属で置き換えた構造を持つコアシェル型触媒により、白金利用効率の向上を目指す研究が活発に行われている。しかしコアシェル型触媒の合成法として普及している「銅-アンダーポテンシャル析出(Cu-UPD)法」は工程が非常に複雑で、生産性が低いことが実用化に向けた障壁となっていた。

今回、1日当たり数十種におよび各種コアシェル型触媒の連続・自動合成が可能な、ハイスループットフロー合成装置を用いてプロセス条件の最適化を迅速に実施することで、Cu-UPD法で合成した触媒に匹敵する性能を持つ触媒の合成に成功。さらに、今回確立した条件を2020年度に開発した合成法に応用した結果、Cu-UPD法に匹敵する活性、構造を持つ触媒の連続合成に成功した。

これにより、白金の利用効率の向上を可能にする新規触媒開発を加速させ、コアシェル型燃料電池触媒の実用化を目指すとしている。今後が楽しみだ。

 

   

 

 

 

 

家族の一人がやっている猫、鳥、犬などをモデルにした手作り

のご紹介。

https://minne.com/@plusme

https://www.creema.jp/listing?q=plus+me+accessory&active=pc_listing-form