効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

高圧半導体

今日の夕刊の記事で次のようなのを見つけて、新しい時代に入りそうだなと感じた。それは「古河機械金属が39%出資する半導体ベンチャー企業のパウデック(横浜市、河合弘治社長)は家電品から電気自動車(EV)や鉄道の制御用まで広く使える次世代パワー半導体を開発した。窒化ガリウム製で、高電圧に強く電力損失が少ない。既存のシリコン製の主な用途を新タイプに切り替えれば、原子炉1基分を節電できるという。」だ。
これまでも窒化ガリウム半導体技術に次々新しいものが登場するので期待してはいたが、数十ボルト程度で使用する物が多かった。それがパウデックは電圧が特定の場所に集中しないよう回路を工夫し、6千ボルトでも機能するのを確認したという。もしこれが安定して作動し、寿命も永くなれば、将来配電網の6千ボルト回路を直流にして、それを低圧に落としていく変圧器に使えるようになるはずだ。今の交流変圧器はコイルを巻いて絶縁しただけのもので単純な構造をしているために50年くらいは保つと聞く。ただし、鉄損といわれるロスが大きく、電力供給の効率を下げている。寿命はこの半分の2〜30年でも良いので、変圧器の開発をしてほしい。これからスマートグリッドが一般化すれば、送配電回路のデジタル制御が不可欠となり、このような半導体による変圧も不可欠となる。EVやスマートグリッド(次世代送電網)など大型装置の電流制御装置用などでもシリコン製の代わりに使えば、2020年時点で原発4基分相当の省エネが可能との試算もあると報じられているが、旧式の変圧器に置き換えるだけでもっと大きな効率向上が実現できるだろう。直流ビル、直流ハウスが少し実現に近づいたような気がする。