効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電車の直流架線に超電導実用化近し

新幹線を除けば殆どの電車は直流で走る。この直流は1カ所から給電するのではなく、交流を直流に変換する変電所を幾つか設置してそこから給電する。その変電所からの直流が、架線に接続するための電線にある抵抗のせいで10%ほどの送電損失が起きる。この給電線に抵抗がゼロになる超電導技術を使って送電して電車を走らせる実験を鉄道総合技術研究所が4月から始め、数年内には実際の鉄道路線に導入するという。これで鉄道の電力消費を5%ほど減らせるらしいから大きな効率化だ。
超電導ケーブルはセ氏零下196度の液体窒素で冷やすと、直流の電気を流したときの損失がほぼゼロになる。冷却に必要な電力を差し引いても、大幅な電力消費削減となるという。同研究所が開発した超電導ケーブルは、直径10センチメートルほどの筒に納めてあるというから取扱もそれほど面倒ではあるまい。住宅街や工場に超電導ケーブルで送電する実験は国内外で始まっているが、既存の家電製品や機械を動かすために電気を交流に変換する必要がある。このとき損失が発生する。これに対し、在来線の電車の多くは直流で動くためこのような変換損失がなく、より電力消費削減効果が高い。超電導が一般化する時代に入ってきたと実感している。