効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

原発コスト

エネルギー問題の調査機関として実績のある『ブルームバーグ・ニュー・エナジーファイナンス』(BNEF)が、まとめたところによると、原発の発電コストは世界的には1キロワット時あたり平均14セント(約15円)で太陽光発電とほぼ同じレベル、陸上風力発電や高効率天然ガス発電の8.2セントに比べてかなり高いという試算になったと報じられている。東京電力福島第一原発事故後の安全規制強化もあって、建設費や維持管理にかかる人件費などが世界的に高騰していることが主な理由だという。再生可能エネルギーのコスト低下が進む中、原子力の優位性が薄れていることを印象づける結果になっている。設備利用率を92%と高く見積もってもこの数字だというから、地熱(6.5セント)、小水力発電(7.7セント)、陸上風力(8.2セント)などと比較してかなり割高になっている。原発コストには、放射性廃棄物処分のために電力会社が積み立てている費用を含むが、廃炉費用は含んでいない。ただ、これはあくまで世界平均の数字であって、日本の場合に再生可能エネルギーの発電コストも含めてどうなるかは現時点で数字を示すことは難しいだろう。原子力発電は、どこの国でも政策的に発電コストが下がるような制度設計がなされているから、それを国別に見なくてはあまり具体的なイメージは出てこないように思う。特に日本の場合、設備利用率を高く見ること自体無意味になっているから、あくまで世界で見ればという条件付きである。しかし、原発の発電原価が安いということが否定されたことの意味も大きいだろう。