効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

紙すき技術応用の炭素繊維強化樹脂と、生駒市の「環境フォーラム」

阿波製紙が、「イノベーション・ジャパン2014」(2014年9月11〜12日、東京ビッグサイト)において、紙すき(湿式抄紙)技術を基に製造した炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP)の成形品を参考出品したという記事を読んで、この応用分野は広いと思った。CARMIX CFRTPの製造は、初めに、繊維長が3〜6mmの不連続炭素繊維と熱可塑性樹脂の繊維を溶液中に分散させる。次に素材に機能を付与するため、各種繊維や接着剤となる薬剤などを加える。こうすることで複数の繊維が均一に分散して混ざり合った、濡れたティッシュのような素材が得られるという。後は、素材から上手く水分を取り除くことでシート状のプリプレグが完成する。つまり、繊維状の物質を溶液中に分散させ、それをすくいながら乾燥させてシート状に成形する、まさに紙を作る「紙すき(湿式抄紙)」と同じ原理。出来上がったプリプレグは、熱プレスによって目的の形状に成形できる。単純な形状であれば1プレス当たりの処理時間が数分のハイサイクル成形が可能で、リブやボスなどの複雑な立体成形にも優れるということだ。熱硬化性樹脂とは違って、熱可塑性であるため成型を後からプレスでできるということは、自動車の外皮などに応用して、軽くて丈夫なものができないだろうか。
全くこれとは違った話題だが、生駒市が10月13日(月、祝日)に開催する『環境フォーラム』の案内が生駒市のホームページに今日掲載された。http://www.city.ikoma.lg.jp/topic/detail9441.html
ここでエイモリー・ロビンスの著書を自分が翻訳した「新しい火の創造」(ダイヤモンド社)について、内容を紹介すると共に、日本の将来を考えるという話をしなくてはならない。会場は近鉄生駒駅の北、徒歩3分。大きな荷物を背負った感じだが、多くの人に日本のエネルギーを巡る課題を考えるきっかけを提供できるように頑張ろう。会場ではこの訳書を定価より安く買って貰えるようにと準備中だ。