効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

新しいコージェネレーション・システム

NEDOからの情報に興味を惹かれるものがあった。熱需要にも柔軟に対応できるコージェネレーション(CHP)システムの新規開発を三井造船が行ったというもの。CHPの場合、電力需要に合わせて発電する場合、そこから利用するために取り出せる熱の量は発電量で支配される。熱に合わせて発電する場合には、発電量が需要を上回るケースも出る。また発電規模が小さいために、発電効率を上げることも難しかった。このためにCHPの容量決定に自由度が低くなっていた。これについて柔軟性を持たせ、発電効率も上げた新しいシステムが三井造船によって開発された。
長年、船舶用のディーゼルエンジンの開発・生産を手がけてきた三井造船株式会社が、NEDOプロジェクトの下、市場ニーズの高い1〜2MWクラスのガスエンジンに、世界初の排気再燃ボイラーを組み合わせたガスエンジン・コージェネレーションシステムを開発したのだ。これまで困難であった、熱と電気の比率を需要に合わせて最適に調整することを可能にして、導入メリットが生じる施設の幅を大きく広げることができる。また、ガスエンジン単体の発電効率では、世界最高水準の42.5%を達成。現在、コージェネレーション・システムとして5機、ガスエンジン単体で4機、計9機が全国で稼働しているという。また、エンジン単体の製品では、プロジェクト後にダイハツディーゼル株式会社との共同で、1クラス大型のガスエンジンを開発し、2012年から販売を開始し、こちらも3機が既に稼働しているということだ。世界初のシステムであるとすれば、海外からの引き合いも大きくなるのではないかと考えられるが、その辺りはまた調べてみたい。