東洋エンジニアリングは18日、タイで天然ガスだきのコンバインドサイクルコージェネレーション(熱電併給)発電所を受注したと発表した。出力12万〜13万キロワットの発電所を、バンコク近郊の12カ所に建設するということだ。タイ政府は1992年にコージェネレーションや再生可能エネルギーなどの活用を目指すプログラムを制定。タイ政府から承認を受けた事業者は、タイ発電公社(EGAT)から9万キロワットまでの電力の買い取りが保証される。余剰電力、蒸気は近隣の需要家などへ販売できる。今回のプロジェクトもこの制度を利用したものだ。コンバインドサイクル発電は、ガスタービンで最初に発電し、そのタービンからの高温排ガスで高圧蒸気を作って汽力発電するもので、発電効率も60%近くになる。ただ、この発表でよく分からないのが、何をもってコジェネレーションとしているかだ。こう言えるためにはこの発電所からの排熱を回収して蒸気なり高温水を周辺の施設に送って利用して貰うことによって、エネルギー効率を80%前後にまで上げるものでなければならない。10万キロワットを超える発電所から回収した熱を十分に近隣で消費するためには、あまり変動しない大きな熱需要がなければコージェネレーションにはならない。どのような熱負荷があるのか発表内容を見てもよく分からない。この熱利用を具体的に知れば、その方式を日本に持ち込むこともできるかも知れない。