効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

出力2,000kW級の高効率ガスエンジン開発

NEDO新エネルギー・産業技術総合開発機構)のプロジェクトとして、三菱重工発電効率が世界でも最大の2,000kW級ガスエンジンを開発した。16気筒で2段過給やミラーサイクルなどの技術を採用することにより、発電・コージェネレーション向け高速ガスエンジン発電設備としては最高クラスとなる44.7%(低位発熱量基準)以上の高い発電効率を実現している。今年9月からプロトタイプ機による実証発電試験に取り組み、分散型電源用途をはじめ、常用自家発電・コージェネレーション用途、各種災害に備えた非常・緊急対応電源などとして、実用化を目指すと言う発表だ。発電効率が高いということは、コージェネに使った場合に発生する熱の量が少なくなるので、熱消費が比較的少ない所でも効率よく稼動させることができる。政府も拡充策に力を入れているコージェネの普及に貢献するだろう。また、中国などにも製品としての輸出もできるし、米国や欧米にもライセンス販売ができるかもしれない。日本の技術開発力が発揮されたと言える。受注台数が早くまとまることを期待している。2段過給とは、低圧段と高圧段にターボを直列に配列し、その中間に給気冷却器を配置することにより、高効率・高圧力比を実現する仕組み。ミラーサイクルは、シリンダーの圧縮比と膨張比が等しい通常サイクル(オットーサイクル)に対して、バルブのカム形状を工夫することで膨張比のほうが圧縮比より大きくなるようバルブが閉じるタイミングをずらしており、熱効率の改善を狙いとした仕組みだという注釈がNEDOの発表についている。かなり専門的だが,分かる人には分かる技術だということだ。