効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

カーボンキャプチャー

三菱重工業は7月、米テキサス州の石炭火力発電所で回収した二酸化炭素(CO2)を油田に注入する原油増進回収(EOR)プロジェクト向けに、世界最大のCO2回収(カーボンキャプチャー)プラントを納入すると発表した。ここまで実用化される段階まで技術開発が進んでいるとは知らなかった。まだコストがかかるために、実証試験の段階だとばかり思っていたのだが。米国では火力発電所からの温暖化ガス排出基準が厳しくなり、従来型の石炭火力は建設できないと言われているのだが、油田に注入することで枯渇しかかった油田が復活するとすれば、CO2回収プラント自体のコストが多少高くても事業性があるのだろう。温暖化防止とエネルギーセキュリティーの確保を同時に達成できるEORの優遇政策も浮上しているそうだから、米国でこの技術を利用する市場が拡大するかもしれない。それによって二酸化炭素回収設備のコストが下がれば、日本で新設が進みそうな石炭火力発電についても、この設備の利用が義務づけられるかもしれない。回収された二酸化炭素の利用技術は別に開発する必要性はあるものの、工夫次第で市場競争力のあるものを生産できれば、日本の発電能力の増強に大きな役割を果たすと期待される。