効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

北京の石炭火力発電所

今日入ってきた海外情報を読んでいたら、北京で主要な石炭火力発電所4基が稼動を来年停止するということだ。これまでも稼動停止をしてきたのだが、その最後の稼動停止となる。北京の大気汚染は、中国全体の平均の2倍も悪いのを少しでも低減するためのものであると同時に、地球温暖化ガスである二酸化炭素の排出を大きく抑制して、国際的な非難が出ないようにするためだ。それによって不足する発電量は4基の天然ガス火力で置き換えられるが、その新しい4基の発電容量は閉鎖される設備の2.6倍になるという。このような石炭火力の閉鎖は中国全体でも進行中。中国での石炭消費量は2012年に比べて1,300万トン減らす計画となっている。北京の削減量はその内で920万トンを占める。天然ガス発電への切り替えで、大気汚染物質と二酸化炭素の排出量を大きく下げることができることは確かだが、発電コストは上がらざるを得ないが。このような動きによって、2013年から今年末までの間に、小規模炭鉱が2千閉鎖される。これまで中国は石炭消費を大きく押し上げてきたが、これを転換させる政策に踏み切ったと言えるだろう。北京の大気中で観測された微粒子PM2.5の平均値が昨年、国の規準である1立方メートルあたり35マイクログラムを大幅に超える85.9マイクログラムであることに対する国民の批判がこの動きの背景にあることは間違いない。
日本ではこのところ大規模石炭火力の建設が次々に報じられている。年末に予定されているパリ会議で日本が強い非難の対象にならないか心配だ。